【適当に入力しちゃダメ】遺品スマホのロックを解除する5つの方法
2024.10.01
- 故人が遺したスマホのロックを解除する方法がわからない…
- 遺品スマホ内にあるデータはどうやって整理・処分すればいいの?
- 不要になった遺品スマホの処分方法が知りたい
こんな悩みにお答えします。
「生きているうちにスマホのロック解除方法や、スマホ内のデジタル遺品について情報共有してくれてたら、こんなに遺品整理で大変な思いをしないで済んだのに…」と感じている方も多いでしょう。
とはいっても、いつまでもスマホの中身を確認できないまま放置すると、さまざまなリスクや損失につながりかねません。
本記事でわかることは以下のとおりです。
- 誰が遺品スマホを扱うべきなのか?
- 遺品スマホのロックを解除する5つの方法
- デジタル遺品整理で最低限すべき3ステップ
- 未確認のデジタル遺品がもたらす3つのトラブル
- 不要になった遺品スマホの正しい処分方法
最後まで読めば、どんなポイントに気をつけながら遺品スマホを整理・処分すればいいかが明確にわかります。
これから遺品スマホを処分する方や、処分方法についてお悩みの方はぜひ最後までご覧ください。
【大前提】遺品スマホのロックを解除できるは『相続人』
遺品スマホは必ず相続人がロックを解除しましょう。
スマホやパソコンは法律上『動産』として扱われ、故人の遺品となれば相続人が所有権を得るからです。
故人が遺したスマホは他の相続財産と同じように相続手続きが必要になります。相続人が複数いるときは共有財産になりますので、遺産分割協議などで決まった相続人が遺品スマホを扱うようにしましょう。
遺品スマホ内にあるデータなどのデジタル遺品も同様です。トラブルを回避するためにも、遺品スマホのロックを解除した後も相続人がデジタル遺品を扱うようにしましょう。
【適当に入力しちゃダメ】遺品スマホのロックを解除する5つの方法
結論、遺品スマホのロックを解除するときは、適当な数字などを入力して解除しようとしてはいけません。
なぜならスマホの種類によっては複数回間違えると、スマホ内のデータが消去される可能性があるからです。
下表のように、スマホの普及率は年々増加して全体で77.3%となり、10人いれば約8人のご遺族が遺品スマホと向き合う機会があります。
引用:総務省『令和4年通信利用動向調査の結果(図表1-3 年齢階層別モバイル端末の保有状況(令和4年))』
そこで、遺品スマホを整理するにあたって真っ先につまずくであろう、ロックを解除する5つの方法をお伝えします。
- ①メモなどを探す
- ②メーカーに相談する
- ③パスワード解析ソフトを使う
- ④デジタル遺品整理業者に依頼する
- ⑤予測して入力する(非推奨)
①メモなどを探す
適当な数字などを入力してロックを解除しようとする前に、以下のようなものから手がかりを探しましょう。
- エンディングノート
- 故人が使っていた手帳やメモ帳
- 自宅や会社のパソコン内
- スマホの契約書類
これらには故人がロック解除に必要な情報を残している可能性があるからです。
なお、ロックの種類には以下のようなものがあります。
種類 | 特徴 |
---|---|
PIN・パスワード認証 | PINと呼ばれる4桁の数字や、英数字を組み合わせたパスワードを入力して認証する方法 |
パターン認証 | 画面に表示される9つの点に対して、一筆書きで4つ以上の点を結んで認証する方法 |
生体認証 | 事前に登録された指紋や顔をかざして認証する方法 |
生体認証の場合、パスワードを入力する方法も選択できることがほとんどです。これらのロック解除方法を念頭に手がかりを探してみましょう。
②メーカーに相談する
スマホをロック解除する手がかりがない場合は、docomoやSoftBankなどの携帯電話会社ではなく、スマホのメーカーに問い合わせることをおすすめします。
スマホの開発元であるメーカーならではの情報をつかめる可能性があるからです。
何度もロック解除をミスすると、データが消去される恐れがあります。特にiPhoneはデータの自動消去設定がオンになっていると、10回目の解除ミスでデータが消えてしまうので注意しましょう。なお、Androidは機種によって異なりますが、iPhoneのような設定はありません。
手がかりがない場合は手当たり次第にロック解除しようとせず、メーカーへの相談も視野に入れましょう。
iPhoneは手続き次第で故人のデータにアクセスできる
一定の条件を満たしたり、裁判所命令や死亡証明書を揃えたりする必要がありますが、Appleには遺族が故人のApple IDや保管データへアクセス・削除できる仕組みが用意されています。
詳しくはAppleのサポートページより確認できます。
故人がiPhoneユーザーだった場合には、一度トライしてみる価値ありです。
③パスワード解析ソフトを使う
パスワード解析ソフトを使う方法もありますが、あまりおすすめはできません。
日本語に対応していないことも多く、必ずしも安全とは言えないからです。
場合によってはロック解除できたとしても、遺品スマホ内のデータがすべて消えてしまうことも。
有料・無料で使えるソフトがさまざまありますので、信頼できるソフトを見極められる方はトライしても良いでしょう。
④デジタル遺品整理業者に依頼する
スマホをロック解除する手がかりがない場合は、デジタル遺品を専門的に扱う業者への依頼も検討しましょう。
業者によっては警察や捜査機関から依頼を受けるような高い技術力があり、遺品スマホのロックを解除できる可能性があるからです。
難易度によって料金は異なりますが、費用は数万円~数十万円かかります。また、最近のスマホは暗号技術が発達したことで、データ復旧やパスワード解除が難しくなり、うまくいっても解除するまで数ヶ月から数年かかることもあります。
とはいえ、信頼できるプロがいる限りは試してみる価値はあります。私たちオモイデではデジタル遺品を整理できる業者も紹介できますので、遺品整理業者をお探しの方はお気軽にご相談ください。お近くの優良業者ベスト5のお見積もりをすぐにお届けいたします。
⑤予測して入力する(非推奨)
当てずっぽうで入力する方法ですが、あまりおすすめはできません。よっぽど心当たりのあるパスワードがない限り、予測入力するのは3回程度にとどめておきましょう。
繰り返しになりますが、スマホによっては何回もロック解除を間違えると強制的に初期化される恐れがあるからです。
予測する方法としては、
- いつもの手の動きから推測する
- スマホの画面上のなぞった痕跡から推測する
- 誕生日・記念日・電話番号・車のナンバー・キャッシュカードの暗証番号などから推測する
予測入力は最後の手段にしておきましょう。
【3ステップ】デジタル遺品整理で最低限すべきこと(リスクを軽減できる)
遺品スマホをロック解除できたなら、以下の3ステップでデジタル遺品を適切に整理しましょう。
- ①デジタル遺品を把握する
- ②不要なサービスを解約する
- ③SNSアカウントを削除する
上記の視点で進めればお金の損失やトラブルを回避できますので、参考にしてみてください。
【ステップ1】デジタル遺品を把握する
デジタル遺品とは、以下のように種類は多岐にわたります。
- スマホやSDカード内のデータ(写真・動画・文章・音声・連絡先など)
- 各種インターネットサービス(サブスク契約、ネット銀行、スマホ決済サービスなど)
- SNSアカウント(Instagram、Facebook、YouTubeなど)
- クラウドサービスのアカウント(iCloud、Googleアカウントなど)
- 故人が展開するWebサービス(ブログなど)
特に、お金にまつわる以下のようなWebサービスは優先的に把握しましょう。
- ネット銀行
- ネット証券
- SNSアカウント
- メールアカウント
- スマホ決済サービス
なぜなら、株式やFXの証券口座は放置すると負債が拡大する恐れがあるからです。見つけ次第、故人の死亡連絡をして口座を凍結させたり、資産を相続人の口座に移管させたり、適切に対処する必要があります。
遺品スマホのロックを解除できても、上記のようなインターネット上にあるデジタル遺品を把握するには別途ログインIDやパスワードが必要になりますので、遺品スマホのロック解除と同様にエンディングノートやスマホ内のメモアプリなどを手掛かりにして探しましょう。
【ステップ2】不要なサービスを解約する
次にサブスクリプション契約を中心に解約していきましょう。
解約しない限り支払いが継続するからです。
たとえば、以下のようなサービスです。
- SNSの有料プラン(YouTubeプレミアムなど)
- 趣味のサービス(クックパッドなど)
- 定期宅配サービス(野菜やコーヒーなど)
- 動画配信サービス(Netflix、Amazon prime、Huluなど)
- 車のリース契約(トヨタのKINTOなど)
【ステップ3】SNSアカウントを削除する
正式な手続きを踏まずに故人の情報へアクセスすると、「不正アクセス禁止法」に抵触する恐れがありますので、アカウントの削除などは各SNSの公式手段に従いましょう。
SNSよっては以下のように追悼アカウントへの移行や、削除ができます。
SNS | 追悼アカウントの有無 | 削除方法 |
---|---|---|
あり | 第三者による事後申請 | |
あり | ||
X(旧Twitter) | なし | |
LINE | なし |
削除できるのは故人の近親者が対象となり、故人の出生証明書や死亡証明書、申請者が代理人であることを証明する文書などが必要になります。
もちろんアカウントをそのままにしておくこともできますが、アカウントが乗っ取られてトラブルに巻き込まれる危険性がありますので、適切に対処することをおすすめします。
未確認のデジタル遺品がもたらす3つのトラブル
未確認のデジタル遺品がもたらすトラブルは、以下の3つです。
- 相続財産を失うリスクがある
- 投資による負債が拡大する
- サブスクリプション契約などの支払いが続く
なるべく早くデジタル遺品を把握して、トラブルを回避しましょう。
相続財産を失うリスクがある
たとえば株式の所有者が死亡した後、いつまでも株式を放置すると次のようなリスクがあります。
リスク①:株式の存在に気づかず遺産分割協議に含んでいなかった場合は、名義変更手続きをするのに改めて相続人全員で遺産分割協議しなければならない
リスク②:株式所有者の死亡後に3~5年で設定されている未受領配当金の受け取り期限を過ぎると、配当金を受け取れなくなる可能性がある
リスク③:5年以上放置すると、「株主所在不明」として株式を勝手に売却される可能性がある
リスク④:最終取引から10年以上放置されると「休眠預金」として扱われ、預金保険機構で民間公益活動に使われる可能性がある
リスク⑤:相続税の申告期限(相続開始もしくは相続開始の日を知った日から10ヶ月)を過ぎると追徴課税の対象になる
このようなリスクがありますので、特にネット銀行への預金やネット証券口座で買付した株式・投資信託・債券・暗号資産など、インターネット上にある金融資産は注意深く把握するようにしましょう。
投資による負債が拡大する
短期売買を目的とした株式やFXは、値動きが激しいので思わぬ損失を被る可能性があります。
「あと数ヶ月早く見つけていれば、損する前に利確や損切りできたのに…」というケースも。
特にFXには注意が必要です。
FXは証拠金に対して最大25倍までレバレッジをかけられますので、故人が急死によりポジション(まだ決済していない状態)が維持されると莫大な評価損失につながる恐れがあります。さらに強制ロスカットにより損失が確定すると、追加保証金が請求されるケースも。
FXの損失が他のプラスの財産を相殺してしまい、相続放棄せざるを得ない事態につながりかねません。相続は故人のプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぐことになるので、くれぐれも注意したいポイントです。
サブスクリプション契約などの支払いが続く
たとえば、退去手続きをしない限り故人が住んでいたアパートの賃貸料金がかかり続けるのと同じです。
銀行口座やクレカの引き落とし履歴などを参考にしつつ、故人が契約していたサービスを把握しましょう。
不要になった遺品スマホの正しい処分方法
遺品スマホにデータが残った状態ですと、トラブルに巻き込まれる恐れがありますのできちんと初期化してから処分しましょう。
下表のような処分方法があります。
方法 | 処分費用 | 処分までの日数 | 特徴 |
---|---|---|---|
キャリアショップへ持ち込む | 無料 | 当日 | ・不明点は店員に聞ける
・リサイクルできる |
自治体の回収ボックスに入れる | 無料 | 当日 | ・リサイクルできる |
買取専門業者に売る | 無料 | 当日〜数日 | ・売れると現金がもらえる
・宅配買取や出張買取がある |
フリマアプリなどで売る | 無料 | 当日〜 | ・いつ売れるかわからないが、どの方法よりも高値で売れる可能性がある |
遺品スマホに挿入されているSIMカードはハサミなどで真っ二つに切断し、SDカードの抜き忘れには注意しましょう。
まとめ【遺品スマホのロック解除は慎重に!デジタル遺品は適切に対処しよう】
今回は遺品スマホのロック解除方法と、ロック解除後に直面するデジタル遺品の整理方法について解説しました。
遺品スマホのロックを解除する5つの方法は、以下のとおりです。
- ①メモなどを探す
- ②メーカーに相談する
- ③パスワード解析ソフトを使う
- ④デジタル遺品整理業者に依頼する
- ⑤予測して入力する(非推奨)
遺品スマホをはじめ、デジタル遺品は適切に整理・処分しないと金銭トラブルや相続トラブルに発展しかねませんので、本記事を参考にして迅速かつ注意深く対処するようにしましょう。