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生前整理のやり方とは?失敗しない進め方のコツやメリットについて解説

2024.02.28

最近では話題になることも多い「終活」。

遺された家族に負担をかけないよう、自分の人生の終わりについて考える活動のことで、その一環として「生前整理」があります。

生前整理をしておくことで、自分が亡くなった後の遺族にかかる負担を軽くでき、大切な持参を確実に引き継いでもらえるというのもメリットでしょう。

しかし、生前整理とはいってもどこから手をつけていいのか、いつ始めればいいのか分からないという人も多いのではないでしょうか。

そこで、今回は生前整理の失敗しない進め方について詳しく解説します。

 

生前整理とは?

生前整理とは、生きているうちに資産や持ち物を整理することを指します。

整理しないまま亡くなった後、遺された家族が相続や遺品整理で苦労しないために、整理しておく人が増えてきています。

また、施設などに入ることになった場合にも、荷物を整理する手間が省けるというメリットも。

実際、これまでの人生で増えた財産や持ち物を整理することで、今後の生き方を考え直すきっかけにもなるでしょう。

 

遺品整理や老前整理との違い

生前整理と似た意味で、「遺品整理」や「老前整理」があります。

持ち物や財産を整理するという意味では似ていますが、微妙に違いがあるので確認しておきましょう。

行う人 目的 実施時期
生前整理 自分 自分の考えを相続に反映させる いつでも
遺品整理 相続人 自分の死後の家族への負担を減らす 高齢になる前
老前整理 自分または家族 亡くなった人の持ち物整理 亡くなった後(四十九日以降)

生前整理は、自分が残りの人生のために行うといった側面が強く、老前整理は体力のあるうちに家族への負担を軽減することが主な目的です。

一方、遺品整理は、自分の亡くなった後に家族が行うもので、亡くなった本人の意思は反映できません。

預金口座や加入している保険などについてまとめておくことで、大切な家族にも負担をかけずに、心地よい生活を営めるのも生前整理のメリットと言えるでしょう。

 

生前整理を行うメリット

生前整理を行っておくことで、どのようなメリットが得られるかについて解説します。

 

相続トラブルを回避できる

生前整理をしておかないことで、財産をめぐって遺族がもめる相続トラブルが起こることがあります。

生きているうちに誰にどの財産を残すのかを「遺言書」で明記しておくことで、スムーズに相続が行えます。

 

遺族の負担を減らせる

相続が発生すると、遺族は遺品整理以外にも、さまざまな相続手続きを決められた期限までに行わなければなりません。

とくに、家族と別居して賃貸に済んでいた場合、速やかに退去しなければならず負担も重くなります。

生前整理をしておくことで、遺品整理の手間を軽くすることができます。

 

生前整理はいつからやる?始める時期

生前整理は、いつから始めるか悩む人もいるでしょう。

実際、生前整理を始める時期の明確な基準はないので、いつ始めても問題ありません。

生前というと、まだまだ先だと考える人もいますが、最近では30代など、子どもや結婚のタイミングで考える人も増えてきています。

主な目的 生前整理の内容
30代 万が一があった時に、配偶者や子どものため ・銀行口座の管理(パスワードなど)

・パソコンやスマホのデータ管理

40代 親の介護や子どもの進学のため ・加入している保険の見直しや整理

・資産運用している投資商品の管理

50代 子どもが独立して家を出るタイミングでの整理 ・子ども用品の整理
・夫婦での生活に不要な物を処分
60代 定年退職のタイミングで身辺整理 ・預貯金口座の管理

・老後やりたいことリストをつくる

70代 悔いのない人生を送るための整理 ・遺言書や財産目録の作成

・財産の相続方法や相続人を選ぶ

・自分の葬儀方法の決定

いつまで健康でいられるかもわからないため、体力や気力に余裕があるうちに少しずつ始めることが重要です。

とくに、子どもが独立して家を出るタイミングや定年退職をする50代~60代は自分のペースで整理できる時期。

片付けの一環で、早めにスタートすることをおすすめします。

 

生前整理の失敗しない進め方

生前整理は不用品を処分するだけでなく、必要なものや家族に残すものを生前に整理することが目的です。

家族に負担をかけないためにも、失敗しない進め方について理解しておきましょう。

 

①必要なものと不要なものに分別する

まず、持ち物を「必要なもの」と「不要な物」に分けることから始めましょう。

たとえば、以下のような内容があります。

・家財

・子ども用品で使わなくなったもの

・パソコンやスマホといったデジタル機器

・大事な書類(通帳、年金手帳、保険証書など)

知らないうちに貯まった書籍や洋服、食器など「形のある物」から着手すると始めやすいです。

片付けのコツとして、処分するか迷うものがあれば自分で期間を決めて「その間一度も使わなかったものは処分する」といった決め事をつくるのもおすすめです。

忘れがちなのはパソコンやスマホといったデジタル機器のデータ。

家族に見られたくないデータや、不要なデータは消去しておきましょう。

また、どうしても捨てられない思い出の品は、「思い出ボックス」を作るなどして、わかりやすく保管しておくと良いでしょう。

 

②お金にかかわるものや貴重品をまとめて財産目録をつくる

次に、お金にかかわるものや貴重品を一覧にする「財産目録」を作成します。

財産目録には、誰に何を残すかといった財産分与を考えるためにも重要です。

たとえば、以下のような内容が当てはまります。

・銀行口座(預貯金)

・投資商品

・不動産

・時計

・宝石などの貴金属

・ブランド小物

・車

・生命保険

・死亡退職金

万が一があったとき、必要な書類や印鑑などを鍵をかけて一か所にまとめて保管しておくのがおすすめです。

ただ、すべての貴重品を同じ場所で保管するのが不安という場合は、家族に伝えていくつかの場所に分散しても良いでしょう。

 

③エンディングノートを作成する

エンディングノートを作成しておくこともおすすめです。

エンディングノートとは、自分の死後を見据えて家族に向けて希望やメッセージを書くもので、書店などでも手軽に入手可能です。

遺言とは異なり法的拘束力はありませんが、自由に作成できるのがメリット。

たとえば、形見分けや葬儀をどのように行うか、延命措置をどうするか、などを書くことができます。

 

④遺言書を作成する

遺言書は必ずしも必要ではありませんが、財産分与の必要がある場合は作成しておくことをおすすめします。

遺言書がない場合、法定相続分に応じた遺産分割がされるため、トラブルが起こる可能性も。

ほかにも、法定相続人以外のお世話になった方に財産を残したい場合にも有効です。

作成に不安がある人は、弁護士や税理士、司法書士といった専門家に相談してつくると安心です。

 

生前整理の進め方に困ったら業者に依頼するのがおすすめ

整理する物が多すぎる場合や、高齢や病気で自分や家族だけで進めるのが難しいという人は、業者に依頼することも方法の1つです。

費用はかかりますが、手間や時間もかからず効率的に進めることができます。

生前整理を依頼するとなると、「生前整理アドバイザー」もしくは「生前整理業者」があります。

費用としては、不用品買取業者なら日額10,000円から、生前整理業者なら一般的な3LDK

100,000円からが相場と言われています。

費用を抑えたい場合、自分でもできる範囲で進めておいたり複数社から見積もりを取ると良いでしょう。

 

まとめ

生前整理は、自分だけはなく家族の負担も大きく減らせる重要な終活の一つです。

自分にとっても、残りの人生を見直すきっかけにもなるでしょう。

この記事を参考に、少しずつ取り組んでみてはいかがでしょうか。