【捨てるだけが正解じゃない】捨てられない遺品を手放す5つの方法
2024.10.01
- 亡くなった人の遺品を捨てられない
- 遺品を見るたびに悲しくなり、捨てる気になれない
- どうやって遺品を処分したらいいかわからない
こんな悩みにお答えします。
故人との思い出が詰まった遺品や、故人が大切にしていた遺品を見るたびに手が止まってしまい、なかなか捨てられないということはありませんか?
程度の差はあれど、実は遺品整理をする多くの方が悩まれています。
この記事では遺品を捨てられない方に向けて、以下の内容をお伝えします。
- 遺品を捨てられない原因
- 捨てられない遺品を整理する5つのコツ
- 捨てられない遺品を手放す5つの方法
- 遺品を捨てる5つのメリット
- 遺品整理でよくある質問
状況にもよりますが遺品整理において、故人の遺品は捨てることだけがすべてではありません。
この記事を読めば遺品整理に対して前向きな気持ちになり、遺品整理を進めるきっかけをつかめますので、最後までチェックしてみてください。
遺品を捨てられない原因とは?
まずは遺品を捨てられない原因を把握しましょう。
原因がわかれば対処法がわかるからです。
遺品を捨てられない主な原因は、以下の5つです。
- 原因①:気持ちの整理がついていない
- 原因②:遺品を捨てることへの罪悪感がある
- 原因③:遺品整理する時間を確保できない
- 原因④:遺品の量が多くて何から手をつけていいかわからない
- 原因⑤:遺品の処分方法がわからない
それでは順に解説します。
原因①:気持ちの整理がついていない
以下のような故人との思い出深い遺品は、捨てることで故人との思い出が失われるように感じるからです。
- 故人の洋服やアクセサリー
- プレゼントしてもらったもの
- 故人との写真や動画
故人の愛用品を見るたびに思い出がよみがえり胸がいっぱいになったり、無気力になったりするなど、気持ちに整理がつかないと遺品を単純に物として見られず捨てられない状態になります。
原因②:遺品を捨てることへの罪悪感がある
遺品には故人の魂や思い出が宿ると考える、日本人ならではの宗教観も関係します。
たとえば、以下のように感じる方も多いでしょう。
- 遺品を捨てるとバチが当たる
- 故人の思い出を軽んじてしまう
- 故人を裏切るように感じる
故人に対する無礼や遺品を粗末にする感覚に襲われることが原因です。
原因③:遺品整理する時間を確保できない
遺品整理するには、まとまった時間や体力が必要になるからです。
具体的には、以下のような理由で遺品を捨てられない状態になります。
- 仕事や家事で忙しい
- 1人では片付けられない遺品の量がある
- 遺品整理する場所まで遠く、移動時間がかかる
物理的なハードルが遺品を捨てられない原因です。
原因④:遺品の量が多くて何から手をつけていいかわからない
あまりにも遺品の量が多いと、「無理かもしれない…」と気持ちにブロックがかかり、なかなか行動に移せなくなるからです。
どこから手をつけていいかわからなくなり、途方に暮れてしまう人もたくさんいらっしゃいます。
原因⑤:遺品の処分方法がわからない
遺品は種類によって法的なルールや地域のルールが関わりますので、ハードルが高く感じるようになり、遺品を捨てられない状態につながります。
個人情報を含む遺品や、遺言や相続に関する遺品は、特に難しく感じる方が多い傾向にあります。
また、以下のような遺品は希少価値がわからないという理由で、処分が進まない人も多くいらっしゃいます。
- 故人の趣味の道具や用品
- 美術品や骨董品などのコレクション
- 時計やジュエリーなどの貴重品
貴重品の種類によっては資産価値がありますので、安易に処分すると相続トラブルに発展する恐れがありますので注意が必要です。
【今日からできる】捨てられない遺品を整理する5つのコツ
原因がわかれば、次に遺品整理するうえでのコツを押さえておきましょう。
遺品を捨てられないときは、以下の5つのコツを実践してみてください。
- コツ①:1人で抱え込まない
- コツ②:感情を吐き出してみる
- コツ③:捨てられない遺品を明らかにする
- コツ④:遺品の仕分けから始める
- コツ⑤:処分しやすいものから手をつける
これらを参考に、はじめの一歩を踏み出してみましょう。
コツ①:1人で抱え込まない
1人で抱え込まず、家族などに相談しましょう。
遺品は故人の大切にしていたものだけではなく、不用品やゴミも含みますので、体力的にも精神的にも1人でできる限界はすぐに超えてしまいがちです。
程度の差はあれど、遺品の量は引越しするときの量に匹敵することも。つまり、1人で抱え込むことは、引越しを1人ですべて完結させるようなものです。
家族や親戚の協力が得られるケースもありますので、1人で抱え込まずに相談してみましょう。
コツ②:感情を吐き出してみる
思い切って悲しみを吐き出してみましょう。
感情を吐き出すことで、前に進むきっかけになるからです。
これは故人への悲しみを乗り越える手法である「グリーフケア」の一環であり、以下のような方法があります。
- グリーフケアアドバイザーへの相談
- 家族・親族・親しい友人への相談
- 同じ気持ちを抱える人たちとの会話
遺品と向き合って涙が出るときは、素直にその感情に任せてしまいましょう。
コツ③:捨てられない遺品を明らかにする
「これだけは捨てられない!」という遺品を明らかにしておきましょう。
絶対に捨てられない遺品を明らかにすれば、その他の遺品整理に集中できるからです。
ただし、故人との写真や動画、日記などは捨てると後悔する可能性が高いので、少しでも迷いがあれば保管することをおすすめします。
なお、遺品整理で捨ててはいけないものは下表のとおりです。
絶対に捨ててはいけないもの | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 遺言書 | 5 | 土地・不動産などの権利関係書類 | 9 | 年金手帳 | 13 | 鍵 |
2 | 現金 | 6 | 通帳 | 10 | 仕事に関する書類 | 14 | 価値のあるもの |
3 | 有価証券・保険証券 | 7 | 印鑑 | 11 | レンタル品 | 15 | 故人宛の手紙や郵便物 |
4 | ローンの明細 | 8 | 身分証明書 | 12 | デジタル遺品 | 16 | 思い出の品 |
間違えて捨ててしまわないように、段ボールに入れたり別の場所に移動させたりするなど、きちんと分けておきましょう。
捨ててはいけない遺品について、詳しく知りたい方は以下の記事もどうぞ。
>> 【完全網羅】遺品整理で『絶対に』捨ててはいけないもの16選!注意点もあわせて解説
コツ④:遺品の仕分けから始める
遺品整理を急がなければならない事情を除き、時間に余裕があれば遺品を仕分けるところから始めてみましょう。
下表のように、具体的には4つのカテゴリーに振り分けるとスムーズに仕分けができます。
必要な遺品 | 不必要な遺品 |
---|---|
思い出の品や形見 | 再利用できるもの |
貴重品や重要書類 | 捨てるもの |
判断に迷うものは保留にして、次に進む意識を持つことがポイントです。
コツ⑤:処分しやすいものから手をつける
処分しやすいものから手をつけるのも効果的です。
少しでも遺品整理が進めば、
- 何もできなかった…
- いつまでかかるんだろう…
- できる気がしない…
というネガティブな気持ちも和らぐきっかけになるからです。
たとえば、以下のような遺品から手をつけてみましょう。
- 故人の思い入れや思い出が少ないもの(新聞、雑誌、日用品など)
- 故人があまり使っていなかったもの(食器、衣類、未開封のものなど)
- 故人が捨てようとしていたもの(壊れた家具・家電など)
無理に思い出が詰まった遺品から手をつける必要はありません。
【捨てるだけが正解じゃない】捨てられない遺品を手放す5つの方法
必ずしも「遺品整理」=「遺品を捨てる」ということではありません。
遺品を『捨てる』以外の選択肢を5つご紹介します。
- 方法①:供養する
- 方法②:形見分けする
- 方法③:売却する
- 方法④:寄付・寄贈する
- 方法⑤:リメイクする
方法①:供養する
一般的な供養の方法として、寺院などでの「お焚き上げ」があります。
お焚き上げとは、遺品を浄火して故人の思いを天に還す方法です。お焚き上げをすれば、捨てることへの罪悪感を払拭しやすくなります。
供養料は寺院などにより異なり、非常に高額となる場合もありますので、いくつか事前に問い合わせてみましょう。
また、お焚き上げできない遺品もありますので事前に確認しておきましょう。
方法②:形見分けする
形見分けとは、個人が愛用していた思い出深い品々を、親族や友人・知人と分け合う方法です。
基本的には忌明け後に、目上から目下の方へ包装せずに半紙などに包んで贈ります。
親族間のトラブルを避けるためにも、故人と親しかった友人・知人に形見分けするときは、先に親族へ声をかけてからにしましょう。
方法③:売却する
次のような方法で遺品を売却する方法です。
- リサイクルショップでの買取
- 買取専門店での買取
- フリマアプリへの出品(ヤフオク!、メルカリなど)
- 遺品整理業者などによる買取サービスの利用
売ってお金に換えれば相続財産として分けられますし、誰かのお役に立てられるメリットがあります。
売却を通じて誰かのお役に立てられると考えれば、きっと故人も喜んでくれるのではないでしょうか。
方法④:寄付・寄贈する
復興支援団体やNPOへ寄付したり、学校や病院へ寄贈したりする方法です。
故人の遺品を社会貢献に役立てつつ、手放せるメリットがあります。
寄付・寄贈した遺品は以下のように、たくさんの人のお役に立てられます。
- 車いすや電動ベッドは介護施設
- 書籍や漫画は図書館
- 楽器や文具などは学校
- 衣類は海外の途上国
捨てることに比べると他者貢献できますので、遺品を捨てることに抵抗がある方にはおすすめの方法です。
方法⑤:リメイクする
「自分は使わないけど、捨てられない」という遺品は、リメイクを検討してみましょう。
たとえ不用品であっても新たな使い道を与えられますので、捨てることなく有効活用できます。
以下のように、ご自身でリメイクされる方もいれば、リメイク専門業者に依頼される方もいます。
- 着物をバッグやポーチにする
- 洋服をリメイクしてぬいぐるみの服として着せる
- 指輪をネックレスにする
捨てられない心理を逆手にとって、末長く故人との思い出を引き継ぐ方法を検討してみてはいかがでしょうか。
遺品を捨てる5つのメリット
「こんなに遺品を手放すことが辛いのに、手放した先でどんなメリットがあるの?」と感じる方もいらっしゃるでしょう。
実際に遺品を捨てることで得られるメリットを5つご紹介します。
- メリット①:気持ちの整理ができる
- メリット②:遺品を管理する手間がなくなる
- メリット③:スペースを有効活用できる
- メリット④:相続トラブルを防げる
- メリット⑤:犯罪リスクや隣人トラブルを防げる
それでは順に解説します。
メリット①:気持ちの整理ができる
遺品整理をすれば自然と故人との思い出や悲しみと向き合うことになり、個人差はあるものの次第に悲しみを受け入れられるようになるからです。
自分の心と向き合えますので、過去に縛られず前向きに人生を歩んでいくきっかけになるメリットがあります。
メリット②:遺品を管理する手間がなくなる
捨てられずに溜まった遺品に付着するホコリや、発生するカビを掃除しなくて済むからです。
遺品を捨てられないと、以下のようなリスクに見舞われる可能性があります。
- 壊れた遺品による怪我のリスク
- アレルギーや喘息など、健康への被害
- 害虫や悪臭の発生
遺品を捨てられれば捨てられるほど、メリットを実感できるでしょう。
メリット③:スペースを有効活用できる
遺品を捨てられれば、あなたの生活空間や趣味の場所などを確保できるようになります。
また、掃除をする手間も省けるので一石二鳥。
空いたスペースを別の目的で活用するなど、生活の質が向上するでしょう。
メリット④:相続トラブルを防げる
遺品を捨てる作業を通じて、資産価値がある遺品の見落としを防げるからです。
資産価値がある遺品は相続財産になります。早期に発見すれば後々の相続トラブルの防止にもつながります。
メリット⑤:犯罪リスクや隣人トラブルを防げる
空き家になっている場合は特に注意が必要です。
なぜなら、空き家は多くのリスクにさらされている状態だからです。
具体的には以下のようなリスクがあります。
- 火災
- 自然災害
- 空き巣や放火犯などによる犯罪
- ゴキブリなど害虫の発生による隣人への被害
これらのトラブルを避けるためにも、捨てられない遺品がたくさんある方や、空き家として放置している方は早急に手を打つことをおすすめします。
遺品整理でよくある質問
遺品を捨てられない方からいただいた質問をまとめました。
捨てられない遺品をスッキリ解消するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
時間が解決してくれるのに身を委ねてもいいでしょうか?
遺品整理は心の整理とも言えますので、無理に急ぐ必要はありません。急がば回れの発想で、気持ちが落ち着いてから、本記事を参考に遺品整理に取り組んでみてください。
とはいえ、以下のようなケースは急いだ方がいいので覚えておきましょう。
- 故人の住居が賃貸物件で退去日が迫っているケース
- 孤独死などで即時退去を求められているケース
- 故人の遺品を管理するスペースがないケース
- 相続税の申告にかかわる遺品があるケース
故人の気持ちを想像すると捨てられなくて困っています…どうすればいいでしょうか?
本当に故人が残して欲しいと願ったであろう遺品は大切に保管しておきましょう。
しかし、「故人が本当に残しておいて欲しいと願っていただろうか?」という視点も持ち合わせましょう。
遺品を捨てられないことに悩むあなたよりも、悩みや不安のない毎日を幸せに過ごすあなたを故人は願っているのではないでしょうか。自分が故人になったつもりで、何を望んでいるのか想像してみると判断しやすくなります。
故人の遺品を使い続けるってスピリチュアル的に大丈夫?
捨てずに残した遺品を使い続けることに問題はありません。
むしろ、以下のようにお守りとしてあなたを良い方向に導いてくれるでしょう。
- トラブルから守ってくれる
- 心の支えになる
- 故人の生前抱いていた想いやエネルギーを受け取れる
よって、形見分けもスピリチュアル的には問題ありません。
遺品は何年くらい経ってから捨てればいいですか?
特に決まりはありませんが、以下のような故人の確定申告に関する書類には注意が必要です。
・法定帳簿:7年
・法定帳簿以外の任意でつけていた帳簿:5年
・決算に関する棚卸表など:5年
・業務に付随して作成された請求書や納品書、領収書など:5年
トラブル回避のためにも、これらを捨てるときは慎重に行いましょう。
風景写真と異なり、人物が写った写真は捨てにくくて困っています…
デジタルデータ化して残しましょう。
保管する手間や場所がいらなくなるうえに、故人との思い出に浸りたいときはいつでも浸れるメリットがあります。
具体的には、Googleフォトを使ってクラウド上で保管したり、プリンターでスキャンしてパソコンへ保存したりする方法があります。枚数が多いときは写真業者にデジタルデータ化を依頼する方法もあります。
また、デジタルデータ化した後の写真を処分するときは、お寺などで供養してから処分すると心理的にも安心して手放せるでしょう。
自分たちで遺品を捨てられないときはどうすればいいでしょうか?
遺品整理業者への依頼を検討しましょう。
なぜなら、次のようなメリットがあるからです。
- 遺族の気持ちに配慮した遺品整理が期待できる
- 豊富な知識を活かしたアドバイスがもらえる
- 貴重品や重要書類を探してもらえる
- 結果的に心身の負担を減らせられる
- 遺品供養も同時にできる
遺品整理士や遺品査定士の資格を持つ業者であれば、より適切なアドバイスや丁寧な作業、確度の高い買取サービスが期待できるでしょう。
まとめ【遺品を捨てることも、故人との大切な思い出づくり】
今回は遺品を捨てられない方に向けて、原因や対策について解説しました。
遺品を捨てることも、故人との大切な思い出づくりです。まずはどうして遺品が捨てれないかを冷静に見つめ直し、遺品整理のコツを把握したうえで、ご自身にあった処分方法を選びましょう。
遺品を捨てることに抵抗がある方は、以下の5つの方法を検討しましょう。
- 方法①:供養する
- 方法②:形見分けする
- 方法③:売却する
- 方法④:寄付・寄贈する
- 方法⑤:リメイクする
「自分たちだけでは遺品を捨てられない…」、「なかなか遺品整理が前に進まなくて困っている…」という方は、私たちオモイデにもご相談ください。
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