デジタル遺品の整理方法とは?注意点や生前整理の方法まで詳しく解説
2024.02.28
故人が亡くなった後のスマートフォンやパソコンの処分に困るという人も多いのではないでしょうか。
デジタル遺品の中には、ネットバンクや個人情報が詰まっているため、ただ捨てるだけでは大きなリスクが伴います。
そこで、今回はデジタル遺品の整理方法や注意点について解説します。
また、デジタル遺品の生前整理方法についても紹介するので、事前に整理しておきたいという人も参考にしてください。
デジタル遺品とは
デジタル遺品は、故人が残したデジタル機器やオンラインアカウントの情報で、個人の写真や文書、SNSのアカウント情報などが含まれます。
具体的には下記の通り。
·スマートフォン
·タブレット
·パソコン
·SNSアカウント(Facebook、X(旧Twitter)など)
·メールアカウント
·クラウドストレージ(Googleドライブ、Dropboxなど)
·オンライン銀行口座
·オンラインショッピング
遺族にとっても貴重な思い出や個人情報を含んでおり、適切に管理する必要があります。
デジタル遺品を放置することで起きるトラブル
デジタル遺品は放置することで、後々大きなトラブルを引き起こす可能性があります。
個人情報が悪用される可能性がある
故人のスマートフォンやパソコンのデータを完全に削除できずに処分した場合、個人情報を盗まれ悪用される可能性があります。
スマートフォンやパソコンの中には、氏名や電話番号、住所などの個人情報が含まれています。
これらの情報が不正に利用されると、遺族が被害に遭う可能性があります。
例えば、故人になりすましてSNSで友達に金銭を要求したり、クレジットカード情報を不正に利用される危険性があるため、適切に処分しなければなりません。
月額料金がかかり続ける
故人が利用していたサブスクリプションサービスなどの有料サービスは、退会しなければ費用がかかり続けてしまいます。
サブスクリプションサービスは多岐に渡り、ゲームや音楽、アニメなど、遺族の知らない間に加入しているかもしれません。
一つ一つは少額かもしれませんが、解約までの期間が伸びるほど負担は大きくなるため早めに退会処理をしましょう。
知らずのうちに借金を背負う可能性がある
故人がFXやネット証券などの投資を行っていた場合、放置しておくことで借金になる可能性があります。
とくに、FXは支払った金額以上のマイナスが出た場合、追加費用を請求されることも。
また、遺族に気づかずに放置された場合、ネット口座を含む預貯金は10年を過ぎると請求できなくなる恐れもあります。
デジタル遺品を生前整理する方法
デジタル遺品は、適切に処分しないと遺族がトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
相続漏れを防ぐためにも、生前整理をしておくと良いでしょう。
そこで、この章ではデジタル遺品の生前整理の方法を紹介します。
デジタルデータのリストを作成
まず、SNSや利用サービスのアカウント、ネットバンキング、オンラインストレージなど、デジタルデータのリストを作成します。
それぞれのサービスを一覧化したら、それぞれのログインに必要な「アカウント名」「パスワード」もまとめておきましょう。
また、スマートフォンやパソコンのログイン情報も忘れずに記載します。
【まとめておくデジタルデータリスト】
·スマートフォンやパソコンのログイン情報
·ネット証券やFXのアカウント
·サブスクリプションなどの有料サービスのアカウント
·インターネットバンキング口座
·仮想通貨、スマホ決済サービス
·ブログやホームページのログイン情報
·SNSアカウント
デジタルデータの管理方法をまとめる
次に、デジタルデータの管理方法についても残しておきましょう。
たとえば、SNSアカウントの削除やパソコン内のデータ、ブログなど削除希望があるものはまとめておきます。
ネットでしかつながっていない友人がいる場合は、その友人への連絡方法なども記載しておきましょう。
見られたくないデータの削除や整理
気に入ったものや風景など、写真や動画で残している人も多いでしょう。
データの整理方法は、次のように進めます。
①いらないデータは削除
②見られてもいいフォルダと見られたくないフォルダに分類
③見られたくないフォルダに鍵をかける
残しておきたいデータの中には、他の人には見られたくないデータもあるかもしれません。
そのような場合、見せたくないデータを別に保存し、複雑なパスワードをかけて開けないようにしておくことをおすすめします。
また、「ロックしているデータは見ないで削除してほしい」と伝えておくことで、トラブルを未然に防げます。
デジタル遺品を整理する方法
故人のデジタル遺品を整理する方法についても知っておきましょう。
パスワードを解除する
スマートフォンやパソコンにはロックがかかっていることが多く、パスワードを解除しなければデジタル遺品整理はできません。
日記やエンディングノートなど、パスワードが書かれていないか探してみることからスタートします。
一定数パスワードを間違えると端末自体がロックされてしまい、スマートフォンが開けないと悩む遺族も多いのが事実。
どうしてもパスワードがわからない場合は、専門業者に依頼すると良いでしょう。
サービスの解約
故人が利用していたオンラインサービスがあれば、解約手続きを進めましょう。
少なくても、有料サービスは解約しないと毎月支払う必要が出てくるので要注意です。
·FXや株などのアカウント
·食品の定期宅配
·動画配信、ゲームの定額サービス
調べる方法としては、メールのほか、口座やクレジットカードの履歴から確認するのがおすすめです。
h3SNSアカウントの削除
アカウントの削除や追悼投稿を行う場合、SNSごとのルールに沿って対応しましょう。
SNSの中には本人しかアクセス制限がなく、本人以外のアクセスはNGとするサービスが多いので注意しましょう。
スマートフォンやパソコンの処分
スマートフォンは毎月料金がかかってくるため、早めに解約手続きが必要です。
契約している通信会社の店舗、もしくはネット上でも解約が可能な会社もあるので速やかに対応しておきましょう。
パソコンについても、誰かに譲る、もしくは処分する場合には初期化を忘れずに行っておく必要があります。
デジタル遺品整理の注意点
デジタル遺品は、個人情報やプライバシーが多く含まれているので処分には注意が必要です。
とくに、必ず行っておきたい対応は下記の通り。
·データは必ず削除する
·相続人の同意を得る
故人が使用したデジタル機器(特にスマートフォンやパソコン)のデータは、必ず消去しましょう。
たとえばスマートフォンやパソコンが壊れていても、データを取り出すことができてしまうため、注意が必要です。
そのほかにも、相続人の同意を必ず得てから対応しないとトラブルに発展する可能性があります。
特に、財産にあたるようなネットバンク、仮想通貨などは慎重に相談したうえで取り決めましょう。
まとめ
スマートフォンやパソコンといったデジタル遺品には、個人情報や財産に関するデータが含まれているため、適切に対応しなければなりません。
とくに、故人がFXや有料のサブスクリプションサービスを利用していた場合は注意が必要です。
知らないうちに金額を請求されることのないよう、対応が難しいようであれば業者へ依頼して早めに対応しておきましょう。