【後悔しないための】遺品整理で出てきたアクセサリーの5つの処分方法
2024.02.19
- 遺品整理で出てきたアクセサリーの処分方法がわからない
- 手放したいけど、気をつけるべきポイントはあるの?
こんな悩みにお答えします。
アクセサリーによっては、一目見ただけで価値を判断するのが難しく、故人の愛用していたアクセサリーほど処分方法に悩みますよね。
この記事では以下の内容をお伝えします。
- 遺品整理で出てきたアクセサリーの5つの処分方法
- アクセサリーを処分するときの3つの注意点
アクセサリーとの向き合い方がわかりますので、遺品整理をスムーズに進められるでしょう。
これから遺品整理をする方や、アクセサリーの処分方法にお困りの方は最後までご覧ください。
【処分する前に】アクセサリーの2つの価値を把握する
遺品整理で出てきたアクセサリーの処分で後悔しないためにも、まずはアクセサリーを知るところからはじめましょう。
2つの価値とは、「金銭的な価値」と「感情的な価値」です。
それぞれ順番に解説します。
金銭的な価値とは
アクセサリーの中でも、とくにジュエリーは金銭的な価値があります。
金銭的な価値があれば相続財産として扱われ、相続税を納めなければなりません。
たとえば、以下のような宝石が使われていると、金銭的な価値が高くなります。
・ダイヤモンド
・エメラルド
・ルビー
・サファイア
・アレキサンドライト など
他にも、アクセサリーの土台などに使われる金属がメッキではなくゴールドやシルバーだったり、ブランド物のアクセサリーだったりすると価値が高くなります。
しかし、精巧な作りで宝石が本物かどうかの判断が難しいアクセサリーもあるでしょう。
鑑定書などがなく、素人では判断がつかないときは、専門家に鑑定してもらって金銭的な価値を把握しておきましょう。
感情的な価値とは
たとえアクセサリーの金銭的な価値が低かったとしても、故人の想いが込められたアクセサリーには感情的な価値があります。
遺族と故人との思い出が詰まったアクセサリーもあるでしょう。
たとえば、以下のようなアクセサリーです。
・故人が愛用していたもの
・遺族からプレゼントしたもの
・代々受け継がれてきたもの
故人の意思が残されている可能性もありますので、遺言書やエンディングノートがあれば確認し、感情的な価値を確かめておきましょう。
【後悔しない】遺品整理で出てきたアクセサリーの5つの処分方法
アクセサリーの2つの価値を把握したうえで、下記の5つの方法で処分しましょう。
・形見分けする
・故人とともに埋葬する
・リフォームする
・売る
・捨てる
どんな方法があるかを把握できると、遺品整理をスムーズに進められます。
順番にチェックしていきましょう。
形見分けする
形見分けとは、故人の遺品を親族や友人・知人などと分けあう方法です。
故人を偲んでくださる方への礼儀や風習を重んじるときは、アクセサリーを形見分けして故人との思い出を共有しましょう。
形見分けは以下のような「忌明けの法要」が済んでから行います。
・仏式(仏教)は四十九日の後
・神式(神道)は五十日祭の後
・キリスト教は(形見分けという風習はないが日本では)1か月命日の追悼ミサの後
形見分けをするときは、以下の3点にご注意ください。
- 【注意点1】高価なアクセサリーは形見分けしない
- 【注意点2】目上の人には形見分けしない
- 【注意点3】形見分けするアクセサリーは包装しない
【注意点1】高価なアクセサリーは形見分けしない
高価なアクセサリーは遺産分割の対象になり、相続税や贈与税がかかります。
贈与税の非課税額は年間110万円です。相続に関係しない友人に渡した場合、形見分けされたアクセサリーの価値が110万円を超えると、友人は贈与税を支払わなければなりません。
良かれと思って形見分けしても、かえって相手に迷惑がかかる恐れがあります。
形見分けするときは、相続税や贈与税のかからない金銭的な価値が少ないアクセサリーにしましょう。
【注意点2】目上の人には形見分けしない
本来、形見分けとは親のものを子に、兄や姉のものを弟や妹にという形で行われてきたからです。
目上の人に対して形見分けをすると、失礼に当たると解釈されかねません。
故人と親しかった人であれば誰でも形見分けするケースも増えてきましたが、まだ一般的ではありませんので、目上の人に対する形見分けは避けましょう。
【注意点3】形見分けするアクセサリーは包装しない
形見分けするアクセサリーはプレゼントではないからです。
形見分けするときは、半紙などの白い紙に包む程度にしておきましょう。
良かれと思って包装すると、マナー違反になりますのでご注意ください。
故人とともに埋葬する
故人とともに埋葬する方法は、以下の2つです。
・火葬後に骨壺に入れる
・納骨のときに別の木箱に入れる
愛着のあったアクセサリーをいつまでも故人と一緒にしてあげられます。
故人とともに埋葬すれば、以下のような悩みも解消できます。
・形見分けでの争い
・相続トラブル
・どうやって処分するか
「アクセサリーを棺(ひつぎ)に入れて故人とともに火葬できないの?」という声もありますが、アクセサリーは燃えると溶けて遺骨を汚す恐れがありますので、火葬はできません。
ちなみに、骨壷や木箱に入らないアクセサリーを捨てるには気が引ける場合、寺院で「お焚き上げ」する方法があります。お焚き上げをすれば、遺品を浄火して故人の想いを天に還して供養できます。
リフォームする
以下のようなケースに該当する場合は、アクセサリーをリフォームしましょう。
・流行りのデザインではない
・デザインが好みではない
・別の形なら今後も使えそう
・どうしても捨てきれないアクセサリー
故人の想いを引き継ぎつつ、これからも愛着を持って使い続けられます。
リフォームの例として、
・フォーマルな場よりも普段使いできるカジュアルなデザインにする
・装飾が多いデザインからシンプルなデザインにする
・指輪をネックレスに変える
リフォームはひとつのアクセサリーを別のデザインのアクセサリーに変えることはもちろん、複数のアクセサリーからひとつのアクセサリーを作ることもできます。
売る
ブランドや素材などにもよりますが、金銭的な価値があるアクセサリーは売れます。
うまく形見分けできない場合や、金銭として遺産分割したい場合などは検討しましょう。
どこに売るかは下記を参考にしてみてください。
売り方 | 特徴 |
買取専門店に売る |
宝石のついたアクセサリーやブランド物を、きちんと鑑定したうえで買取してもらえる |
リサイクルショップに売る |
プチプラアクセサリーなど、幅広く買取してもらえる |
フリマアプリやネットオークションで売る |
買取専門店やリサイクルショップで売れないアクセサリーが売れる可能性がある |
遺品整理業者に売る |
遺品整理と同時に買取してもらえるので、時間と手間がかからない |
悪徳業者によるトラブルを避けるためにも、複数の業者から見積もりをとりましょう。
ただし、一度売ってしまうと戻ってきませんので、後悔しないためにもアクセサリーの感情的な価値と向き合ったうえで判断してくださいね。
捨てる
アクセサリーを以下のように分別できれば、あとは指定のゴミ袋に入れて、決められた曜日に収集場所に出すだけで捨てられます。
ゴミの種類 | 素材 |
燃えるゴミ |
木製、革製、布製、プラスチック製 |
燃えないゴミ |
金属製、ガラス製、天然石など |
自治体によってゴミの分別基準が異なるケースがありますので、事前にホームページなどで確認しておきましょう。
ただし、アクセサリーの宝石部分はもちろん、金属部分も再利用できるものは価値がありますので、捨てるときは慎重に判断することをおすすめします。
遺品整理で出てきたアクセサリーを処分するときの3つの注意点
注意点は以下の3つです。
- ①高価なアクセサリーは適切に引き継ぐ
- ②親族の許可なくアクセサリーを処分しない
- ③負の遺産を把握するまでアクセサリーは処分しない
これらを押さえておけば相続トラブルを防げますので、チェックしておきましょう。
①高価なアクセサリーは適切に引き継ぐ
金銭的に価値のあるアクセサリーは、遺産分割の対象になります。
ですので、遺言書があれば遺言書に従う必要がありますし、遺言書がなければ遺産分割協議をする必要があります。適切に引き継いだうえで相続税を納めます。
価値のありそうなアクセサリーは、早い段階で専門家に鑑定してもらって価値を明らかにし、相続財産として引き継ぐ必要性を把握しましょう。
②親族の許可なくアクセサリーを処分しない
相続人が複数いる場合、遺産分割する前のアクセサリーは相続人全員の共有物になります。
自分の判断で勝手にアクセサリーを処分すると、「勝手に処分された!」とトラブルになりかねません。特に、金銭的に価値のあるアクセサリーは相続財産になりますので注意が必要です。
アクセサリーを処分するときは親族に確認をとってからか、遺産分割が終わってからにしましょう。
③負の遺産を把握するまでアクセサリーは処分しない
場合によっては相続放棄ができなくなるからです。
たとえば、アクセサリーを処分した後で、故人が抱えていた多くの負債が発覚したとします。このケースでは一度遺品に手をつけていますので、「相続する意思がある」とみなされて相続放棄できなくなる可能性が高まります。
故人の遺産の全体像を把握するまでは、アクセサリーの処分は控えましょう。
アクセサリーは個別に保管する(とくに宝石類)
アクセサリーは適切に保管しないと、価値を落としかねません。
とくに宝石類は注意が必要です。
種類によって硬度が異なりますので、硬いものと柔らかいものを一緒に保管しないようにしましょう。
例えば、柔らかい宝石である
・真珠(パール)
・珊瑚(コーラル)
・琥珀(アンバー)
などと、硬いダイヤモンドを一緒に保管すると、柔らかい宝石の表面に傷がつく恐れがありますので、個別に保管しましょう。
ゴールドやプラチナは特に気をつけることはありません。柔らかい布で拭き、高温多湿な場所は避けて保管しましょう。
シルバーは使い続ける方が変色しにくく、可能であれば使い続けましょう。保管するときは変色を防ぐためにティッシュペーパーなどで水分をとり、封のできるビニール袋などで保管しましょう。
遺品整理で出てきたアクセサリーは価値を見極めてから処分しよう!
今回は遺品整理で出てきたアクセサリーの処分方法についてお伝えしました。
相続トラブルなどに発展させないためには、金銭的な価値があるジュエリーなどのアクセサリーほど慎重に。
処分方法をおさらいすると、以下の5つです。
- 形見分けする
- 故人とともに埋葬する
- リフォームする
- 売る
- 捨てる
アクセサリーは一度手放すと、なかなか元に戻すことはできません。
後悔しないためにも、アクセサリーの2つの価値(「金銭的な価値」と「感情的な価値」)と向き合ってから処分方法を判断してくださいね。